奈良県の南海トラフ大地震の被害想定!前兆と予言や過去の震災!
奈良県の南海トラフ大地震の被害想定をはじめとして、過去の大地震や前兆、時期や震度、津波の予測について詳しく書いていく。今回ばかりは例の大仏の加護をもってしても被害は免れない可能性が高い。
奈良県で大きな地震の被害にあうビジョンがあまり浮かばない方も多いだろう。
「奈良県は地震の少ない地方」という認識があるかもしれない。しかしそれはそもそも間違っている。「最近は地震の少ない地域」という認識のほうが正しいだろう。
筆者は福島で東日本大震災を経験した。それまでは「宮城はしょっちゅう地震があるけど福島は地盤が強いし活断層もあまり活動していないので安全」という認識でいた。蓋を開けてみれば震度7だ。その危機感のなさも相まって、防げたはずの人的被害も防げなかった。
地震には400年、1200年周期があり、地震年表を見てみると、奈良近辺でも大地震と呼ばれる規模の地震が数回発生している。
また、奈良県には南西日本を内帯と外帯に分ける中央構造線が東西に横切っている。この構造線を境として、県北部(盆地のあたり)では断層は数多く存在し、数多く過去の内陸地震の跡を残している。
奈良県で過去に起こった地震は大きく分けて二種類。1つ目は、南海トラフ沿いの大地震によるものと、2つ目は奈良県の北部にある断層が引き起こした地震だ。
まずは、奈良県に起こった過去の震災を見て、自分が立っている場所は安全ではないことを認識してほしい。
奈良県の過去の震災
奈良県にもこんなにある断層
奈良県には今のところ確認されている断層が8つある。
うち4つに関しては国の機関である地震調査委員会からこれから数十年間に地震の発生する確率について長期的な評価がされている
断層名 | 今後30年間の地震発生確率 |
①奈良盆地東縁断層帯 | 約0~5% |
②中央構造線断層帯 | 約0~5% |
③生駒断層帯 | 約0~0.1% |
④木津川断層帯 | 約0% |
⑤ あやめ池撓曲-松尾山断層 | ― |
⑥ 大和川断層帯 | ― |
⑦ 千股断層 | ― |
⑧ 名張断層 | ― |
無視していい発生確率に感じる方もいるかもしれない。
しかし、2016/4/14に熊本のあの大地震を引き起こした原因と考えらえれる布田川・日奈久断層帯は、今後30年間で地震が発生する確率は0~6%という評価がされていた。
2016/10/21の鳥取中部地震に関しては、今までに確認されていない、未知の断層のズレによるものだ。
今まさに、地震は6回目の活動期に入っているとみられている。今回の活動パターンは、400年前の慶長期に似通っている。
- 九州で霧島山・浅間山が噴火
- 畿内(京都・奈良・大阪・兵庫の南端あたり)で大地震が起こる
- 5年後、岩木山(青森)、伊豆大島が噴火
- 4年後、東海から西日本で超巨大地震(慶長地震・危険視されている南海トラフ地震のモデルケース)発生、大津波が千葉から四国・九州までの広範囲を襲った
- 翌年、関東で大地震
- 6年後、会津で大地震
- 慶長三陸地震(東日本大震災に似た規模と震源)
という風に、日本のいたるところで地震や地殻変動が起こった。順番は違うが、地殻変動が起こっている場所はなんとなく似ている。不穏な予感が漂っているのはお分かりだろう。畿内での大地震も十分に可能性はあるのだ。
例えば海の波を想像してほしい。波がどこから崩れるか、なんてことはわからない。違う方向からの波に押されて予想していなかったところが盛り上がり、バラバラと崩れていく。
今、日本はその状態だ。東日本大震災が波の訪れを告げる最初の波しぶきで、あとはどこから崩れてもおかしくない。
プレートが溜まったエネルギーをランダムに発散している最中だ。波はもう来ている。そして日本は波の只中にいる。
この一連の地殻変動が慶長期より小さな規模であることを祈るばかりだが、方々で発生する地震の規模と慶長期を比較してみる限りでは慶長期より激しい地殻変動が起こっている可能性のほうが高いように筆者は感じるのだが、どうだろうか。
それでは、奈良県の活断層について紹介していく。
奈良県直下の活断層によって引き起こされた地震
奈良県直下に位置する断層を主な震源とする地震だ。マグニチュードは大きいが震源が深かったり地盤の影響で震度に現れなかったケースもいくつかあり、壊滅的な被害というのは免れているように見える。しかし潜在的な危険というのは奈良を震源とするものだけでもこれだけの数あるのだ。
西暦 | 地域 | マグニチュード | 主な被害 |
1185年8月13日 | 近江・山城・大和 | 7.4 | 寺社家屋倒壊、破損。死者多数(詳細不明)。 |
1596年9月5日 | 畿内(慶長伏見地震) | 7.5±0.25 | 寺社倒壊などの被害。 |
1854年7月9日 | 伊賀・伊勢・大和(伊賀上野地震) | 7.25±0.25 | 奈良で死者280人、建物全壊700~800棟 |
1891年10月28日 | 濃尾地震 | 8.0 | 死者1人、負傷者2人、建物全壊16棟 |
1936年2月21日 | 河内大和地震 | 6.4 | 死者1人、負傷者7人 |
1952年7月18日 | 吉野地震 | 6.7 | 死者3人、負傷者6人 |
南海トラフの影響を受け奈良県にも被害も出た震災になると、以下のようにもっとずっと地震の規模は大きい。
南海トラフ近辺を震源とする地震
西暦 | 地域 | マグニチュード | 被害 |
1361年8月3日 | 畿内・土佐・阿波 | 8.25~8.5 | 南海トラフ沿いの巨大地震。寺社倒壊多数(詳細不明) |
1707年10月28日 | 宝永地震 | 8.6 | 南海トラフ沿いの巨大地震。全壊家屋約280棟。 |
1944年12月7日 | 東南海地震 | 7.9 | 東南海を震源とする地震。県内死者3人、負傷者17人、全壊家屋89棟。 |
1946年12月21日 | 南海地震 | 8.0 | 負傷者13人、全壊家屋37棟 |
南海トラフを震源とするものだと、奈良県も例外なく大災害に巻き込まれることはもう一度、認識するべきではないだろうか。
今よりずっと人の少ない時代においてこれだけの規模の人的被害が出ているのだ。今の時代に南海トラフが起こった場合奈良県にはどれだけの被害が出るのだろうか。
奈良県は内陸のため津波による被害は当然出ようがないが、地震だけの被害でも未曽有の大災害となる。
奈良県の南海トラフの被害想定
奈良県内での被害想定は以下の通りだ。
死者 | 1700人 |
建物倒壊 | 47,000棟 |
直接被害額 | 3兆4000億円 |
避難者数(1日) | 14万人 |
避難者数(1週間) | 29万人 |
断水 | 130万人 |
停電 | 82万軒 |
ガス供給停止 | 38,000戸 |
災害廃棄物 | 500万トン |
奈良県に津波は来ようがない。それなのにこの災害規模が想定されている。
ほぼ県全域を震度6強の地震が襲い、これだけの被害が出る。
お分かりいただけただろうか。奈良県も、日本全国のほかの県同様、安全ではない。これから約10~20年間は、日本のどこにも安全な場所などない。不動産を買うのはもう少し待ったほうがいいかもしれない。
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