今回は、南海トラフ巨大地震の徳島の被害想定といったテーマで、津波到達時間や前兆と予測についても触れていく。
また、ハザードマップも見ていこう。
南海トラフ巨大地震がもたらす影響は非常に大きく、もし発生した場合徳島県も多大な被害が及ぶと言われている。
徳島が存在する場所を考えると、一番心配なのは「津波」ではないだろうか。今後いずれ確実に起こると言われている南海トラフ巨大地震は各県の全体的な被害想定を見ても少なくとも震度”6弱”がベースとなっている。
最近では、各地で地震が度々発生していることもあり、その都度不安になる方もいらっしゃるだろう。
まずは、南海トラフが発生した場合に徳島県に影響する内容について見ていく。
南海トラフ巨大地震が発生したら徳島はどうなる?
もし南海トラフ巨大地震が発生した場合、津波が起こる可能性は非常に高いと想定されている。
徳島県でももし南海トラフ巨大地震が発生した場合どうなるのか…といった事をシミュレーションした”被害想定”が行われており、想定ではあるが具体的な数値も出ている。
県の報告書を参照しつつ各項目にまとめていく。
※シミュレーションの中でも特に被害が大きくなる状況が「季節:冬」・「時間帯:深夜」となっている。ご想像の通り、冬場は夏に比べて火を使う機会が多く、深夜帯は逃げ遅れる人間も多いからである。
ここでは、最悪の状況を想定した上記の条件で触れていく。
人的被害
人的被害といっても、ここでは重傷者・軽傷者を省いた最悪のケースを指す。
要因 | 被害数(人) |
---|---|
津波 | 26900 |
揺れ | 3900 |
火災 | 470 |
急傾斜地 | 30 |
計 約31300人 |
※「地震発生後の早期避難率低」・「家屋の耐震化無」・「津波避難場所の整備無」の場合の想定。
ご覧の通り、南海トラフ巨大地震が発生した場合、上記の条件では人的被害は3万人以上に及ぶ。
これに加えて、軽傷者・重傷者なども含めると当然この数値を軽く超えることになる。
さらに心配なのが、地震が発生した時に、当時病院に入院していた患者の受け入れ先が困難になってしまうと言う点だ。県が想定している入院需要は約9000人となっているが、発生した時にはそれ以上になっている可能性も十分あり得る。
多くの方が注目した部分は人的被害の要因だろう。想像の通り「津波」によってもたらされる影響は大きすぎるくらいだ。被害内容の9割以上が津波になっている以上、どう対処するかがポイントになっているのは言うまでも無い。
対策を行った場合の人的被害の変化
では対策として県が掲げている”理想的な”内容を改めて確認してみよう。
- 早期避難率100%
- 建造物の耐震化100%
- 500m以内の津波避難場所の整備
これらを行う事が出来た場合、犠牲者数は93%減るとのことだ。
そして、更には以下の対策なども行う事で犠牲者数がゼロに限りなく近くなると見ているようだ。
- 防災教育・訓練の充実
- 家具類の転倒防止対策
- 情報伝達の充実
- 自主防災組織の活性化
犠牲者の数がゼロというのは非常に素晴らしいことだが、果たして早期避難率100%・建造物の耐震化100%という対策は現実的な数字なのだろうか。
確かにこれだけ対策をしておけばかなり心強いが、住民の家屋の耐震化は県がもしくは国が負担をしてくれるのだろうか。恐らく無理な話だろう。
経済的に無理な住民の方は多くらっしゃると思うし、そもそも深夜帯に地震が発生した場合に即避難率100%というのは中々出来ることではない。日頃から訓練を行っていたとしてもイレギュラーはつきものだ。
もちろん、地震に対する意識を強く持つことは大切だ。そうする事によって生存率が変わってくるのは間違いないだろう。
何より、こういった被害想定の資料を住民の方に見てもらう為にも、分かりやすくまとめておくことが重要なのではないだろうか。資料を参照しようと見たが、一つのまとまりではなくバラバラに配置されているため、ネットから見た場合は非常に分かりづらいと感じた。
被害想定や対策などをスマホからでも簡単に閲覧できるように作成する事は今後の課題になだろう。最近では老若男女問わずスマホが普及しているため、日頃から地震を意識させて尚且つ理想的な”犠牲者ゼロ”を目指すのであれば尚更だろう。
震度について
震度に関してだが、市町村ごとの詳細な大きさに関しては記載されていなかったため、県が発表している震度分布図を引用させて頂いた。
引用:徳島県公式
県の想定を見る限りは震度7以上の市町村は少ないようだ。しかし、震度6強でも侮れないし、実際にはそれ以上の地震が発生しても不思議ではない。
何より津波に対する危機感は持っていなければならない。
津波の到達時間について
徳島県が予想している津波の到達時間は地震発生後から41分とのこと。
これは「徳島県津波浸水想定」に基づいたものだと言う。
厳密に言えば、徳島市マリンピア東端において初期水域プラス20cmの推移変化が生じる時間の41分だ。
これは避難計画でも使われている物となっている。
前兆について
地震による被害を出来るだけ抑えるためにも、前兆について知っておいた方が良いのは言うまでも無いだろう。
県で掲げられている避難のマニュアルにも前兆・予兆については大きく触れられてはいなかった。
地震雲やいつもより頻繁に地震が観測されている場合は、大地震の前触れである可能性も考えられる。
そういった前兆らしきものが確認できたとしても絶対に大地震が発生するとは言えない為、前震が発生してから行動することにはなると思うが、「もしかすると近いうちに大きな地震が発生するかもしれない」と意識する事が出来るのは人的被害を避けるための大きなアドバンテージと言っても良いだろう。
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