今回は、和歌山県の南海トラフ大地震被害予想(被害想定)をはじめとして、津波到達時間や前兆と対策。そして震度についても見ていく。
最近では、和歌山県でもたびたび地震が発生するのを報道でみかけるが、その都度「南海トラフ大地震」の前兆・予兆なのではないか…といった話題が上がる。
確かに今日では大きな地震が発生するスパンも短くなっている気もするし、前々から来るとは言われている。
では、もし南海トラフ沖大地震が発生した場合、和歌山県ではどの程度の被害が出るのか。
内閣府および和歌山県が発表している被害想定を参照しつつまとめていく。
和歌山県の南海トラフ沖大地震の被害想定
和歌山県の公式ある被害想定の報告書を参照し以下にまとめていく。
内閣府の想定と大きな差がある部分があったが、この部分に関しては、県が現状の和歌山の浸水面積や、発生時の対象者数を見直したことが要因とのこと。
そのため、ここでは内閣府よりも和歌山県の想定の方が適当であるとし、和歌山が発表した報告書を参照していく。
人的被害について
和歌山県の被害想定報告書では南海トラフ大地震が発声する事によって、人的被害は約9万人にのぼるとされている。内閣府が発表したデータでも8万人という内容が出てていたが、その数には驚かされる。
こレに関しては、軽傷者および重傷者は含んでおらず、そのままの意味を表している。
南海トラフ大地震による人的被害の想定報告書の中でも三重県は特にその多さに目が行く。
この人的被害の要因は「家屋倒壊」や「揺れによる落下物」なども挙げられるが、何より「津波」の影響が大きい。
どの県でもそういったシミュレーションを行っているが、やはり火災や家屋倒壊に比べると圧倒的に人的被害の大半が津波だ。
その津波の割合は9割以上。いかに津波の被害を防げるかがカギとなっているわけだが、現代の技術でも津波を100%絶対に防ぐことは不可能といわれている。
報告書では、人的被害が多いであろう市町村が以下の様にランキング分けされている。
被害数 | 被害率 | |
---|---|---|
1位 | 和歌山市
【18100人】 |
太地町
【74%】 |
2位 | 田辺町
【15600人】 |
那智勝浦町
【73%】 |
3位 | 那智勝浦町
【11700人】 |
美浜町
【48%】 |
こちらも軽傷・重傷者を含んだ数値ではない。
震度について
震度に関してだが、やはりこちらも他県に比べると震度7以上と想定されている市町村が多く見られる。
震度7以上の市町村は以下のようになる。以下の地域以外は「高野町」を除いて全て震度6強と想定されている。
高野町は震度6弱とされている。
市町村名 | 震度 |
---|---|
和歌山市 | 7 |
海南市 | 7 |
有田市 | 7 |
広川町 | 7 |
御坊市 | 7 |
美浜町 | 7 |
日高町 | 7 |
由良町 | 7 |
みなべ町 | 7 |
田辺市 | 7 |
白浜町 | 7 |
上富田町 | 7 |
すさみ町 | 7 |
古座川町 | 7 |
串本町 | 7 |
津波到達地域および到達時間
南海トラフ大地震が発生した際に起こる津波の高さついてだが
- 内閣府は最大「8m~20m」
- 和歌山県は最大「8m~19m」
と想定している。
- 想定浸水区域は約「12600ha」
そして、津波が発生してから到達する最短の時間は
- 内閣府は「2分」
- 和歌山県は「3分」
と想定しているようだ。
特に注意すべき区域
前述したように南海トラフが発生した場合、なにより気を付けなければいけないのが「津波」だ。
ただ、和歌山県の被害想定報告書には「津波による人的被害数」が記載されていないため、どの市町村が特に注意をしなければならないのか具体的に判断しづらい。
だが、人的被害の要因の全体の9割以上である事を考えると、「人的被害数高=津波による危険性高」と考えても間違いではないだろう。
では改めて各市町村ごとの人的被害数を以下に記載する。
市町村名 | 被害数(人) |
---|---|
和歌山市 | 18100 |
田辺市 | 15600 |
那智勝浦町 | 11700 |
串本町 | 8200 |
御坊市 | 6900 |
白浜町 | 5300 |
海南市 | 4000 |
みなべ町 | 3900 |
美浜町 | 3700 |
有田市 | 2200 |
湯浅町 | 2200 |
太地町 | 2000 |
すさみ町 | 1700 |
印南町 | 1300 |
広川町 | 1200 |
新宮市 | 1100 |
由良町 | 980 |
日高町 | 380 |
上富田町 | 62 |
紀の川市 | 53 |
日高川町 | 39 |
有田川町 | 38 |
岩出市 | 37 |
橋本市 | 24 |
かつらぎ町 | 13 |
紀美野町 | 10 |
北山村 | 5 |
九度山町 | 4 |
高野町 | 3 |
前兆と対策
地震には前兆があると言われている。
迷信やオカルトといった物も一部で噂になっているが、「地震雲」や「頻発する小さな地震」などは前兆・予兆である可能性は低くはない。
ただ、ご想像の通り、「○○が起こったら絶対に南海トラフ大地震が発生する」…といった前兆は確認されていない。
前兆として察知しやすいのが、地震雲や天候の違和感ではないだろうか。その次に「前震」。
熊本地震でも発生したように一度目にそれなりの規模の地震が発生して、数時間後~数日後に本震が発生するといったものだ。
また対策に関してだが、もし明らかに前兆があった際には前震および本震に注意し、いつでも逃げられるように準備をしておくことが重要だ。若干雰囲気がおかしいと感じた時には、見過ごすのではなくしばらく様子を見ても良いだろう。
前兆なども重要な部分ではあるが、何より大切なことは、地震に対する意識を日ごろから持つことだ。
特に津波による被害が大きいと想定されているのであれば、最低でも”津波が発生したらどの方向に進めば良いのか”という事は頭に叩き込んでおく必要がある。
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