南海トラフ巨大地震のボランティアに行く方法や経路・物資の送り方、現地に必要なものについて書いていく。
『近いうち』必ず起こるといわれ続けている南海トラフ地震。実際に地震が起こった際に被害規模は東日本大震災をも超えると言われている。言われ続けているが故に中だるみして油断をしたところに災害が起こりそうで、東日本大震災で被災した筆者としては不安でしょうがない。もちろん被害を最小限に抑える努力を最大限するべきだが自然の猛威はそれを超えてくる。
そのためもし地震が起こった時に迅速に対応できるよう、地震が起こった地域に対して地震が起こらなかった地域の人がボランティアをする際の優先順位や何をするべきか、被害予測地域と過去の地震の際に起きた問題から予測してまとめていく。
※有事の際は、下の『被害規模予測』は読み飛ばして次の
『南海トラフ地震のボランティアの心得』
の見出しからお読みください。
被害規模予測を見る前に、予測マップに出てくる専門用語をなんとなく解説しておく。
強震断層域
この断層域が『すべる』と大きな揺れがおこる。
津波断層域
波断層域で大きく断層がすべると巨大な津波が起こりやすい。
南海トラフの地震・津波予測(2016年版)
地震予測
震源地がどこにあるか、すべり値がどのぐらいかによって、多少の変動はあるが、どんな指標のシミュレーションでも基本的に震度5以上の県はある程度絞られている。
地震で建物が倒壊・半壊する、交通インフラの(道路・線路)が使用できなくなる可能性がある、電気・ガス・水道のライフラインが遮断される可能性の高い震度6以上の県をリストアップした。
震度6以上の可能性のある県
- 宮崎県
- 香川県
- 愛媛県
- 大阪府
- 三重県
- 和歌山県
- 京都府
- 滋賀県
- 岐阜県
- 長野県
- 山梨県
- 神奈川県
震度7以上の揺れの可能性がある県
- 高知県
- 徳島県
- 三重県
- 愛知県
- 静岡県
津波予測
約5mの津波が到達する可能性のある県
- 鹿児島県
- 大分県
- 愛媛県
- 徳島県
- 大阪府
- 愛知県
- 千葉県
10~20mの巨大な津波が到達する可能性のある県
- 宮崎県
- 徳島県
- 和歌山県
- 三重県
- 静岡県
20m以上の破壊的な津波が到達する可能性のある県
- 高知県
南海トラフ地震のボランティアの心得
地震、津波の激しい被害に見舞われる地域が多すぎて高速道路や鉄道は使い物にならなくなる。鉄道は当然機能しないし、被災地の近くまで行くことはできない。
高速道路網も、兵庫県の吉川インターチェンジあたりで分断されてしまう。
また、多くの方が経験しているように、巨大地震には余震がつきものだ。地震があっていち早く駆け付けたい気持ちはわかるが余震が収まる前に被災地に向かってしまうと逆に被災者を増やす可能性もある。
震災直後は被災地に行かない
自衛隊・消防が救援物資をもって取り急ぎ被災者の生命線は確保しに行くのを待つしかない。震災後数週間は、一般人が被災地に赴くのは自殺行為だ。後方支援に徹底しよう。
当然、南海トラフ巨大地震が起こった場合災害の規模が大きすぎて、プロフェッショナルが持って行った救援物資はすぐに枯渇してしまう。
また、太平洋側の県の北側は南海トラフによる直接的な被害はほとんど出ない見込みだ。細長い日本の南半分が致命的なダメージを受けるとなると、まずは最短距離の被災した地域が支援し、不足気味になりそうな場合は関東以北の県からも物資を送るとロスなく物資が運べる。
状況を詳しく調べずに感情が先行して物資を送れるだけ送ろう、というのは大災害時には危険である。渋滞により緊急車両が通れなくなり、震災を生き延びた被災者が命を落とす可能性もある。適切な量を、適切な場所に、適切な手段で送らないと、支援者が予想もしなかった望まない結果を生む可能性は絶対に忘れてはいけない。
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